******************
当機構では労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや
新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでおり、現在は、労災疾病等医学研究
として9テーマの研究を実施しているところです。
今回はその中で、「生活習慣病」、「病職歴調査を活用した研究」についてご紹介します。
******************
●「生活習慣病」
勤労者の過労やストレスが、高血圧などの「生活習慣病」の悪化に影響していると言われています。たとえば、心筋梗塞などの「心疾患」、脳梗塞などの「脳血管疾患」については、仕事が主な原因として発症した場合、脳・心臓疾患(いわゆる「過労死」)の労災認定の対象となります。つまり、勤労者の過労やストレスと、高血圧等「生活習慣病」発症との因果関係を明らかにすることによって、過労死の予防等につなげられる可能性があるといえます。
このため、今年7月から、労災疾病等医学研究のテーマの1つとして「生活習慣病」に関する5つ研究を開始いたしました。
生活習慣病についてはこちら(当機構のサイト)
******************
●「病職歴調査を活用した研究」
近年、職場環境や雇用形態の変化によって、アスベストばく露などのいわゆる原因の明らかな職業病の報告は減りつつありますが、他にも未だ明らかとなっていない職業関連疾病が存在する可能性が十分にあります。
全国 33 の労災病院グループでは、職業と疾病との関連性を研究するため病職歴調査を行っています。
この病職歴調査データを用いて、特定の職業において特定の疾病が増加していないかなど探索的検討を行い、労働環境の改善や働き方改革の一助となる研究を行っています。
病職歴調査についてはこちら(当機構のサイト)
平成29年度 入院患者病職歴調査基礎解析についてはこちら(当機構のサイト)