当機構では労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでおり、現在は、労災疾病等医学研究として9テーマの研究を実施しているところです。
今回はその中で、「メンタルヘルス」・「職業性皮膚疾患NAVI」についてご紹介します。
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●「メンタルヘルス」
メンタル不調の一次予防の観点から、脳血流変化と相関するHPA系ホルモンの動態とうつ、疲労、QOL等との相関関係について検証しました。
結果として、うつ重症度(構造化面接 SIGH-D)は、左下前頭回、背外側前頭前野を主体とした血流低下と相関していることなどが確認されました
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●「職業性皮膚疾患NAVI」
現在、様々な業種において皮膚疾患を引き起こしやすい化学物質が用いられていますが、中には原因物質が特定されにくい、就業制限をするほど自覚症状が強くない等の理由で十分な対策がされず皮膚疾患が放置されているケースも見られます。一方、特定化学物質障害予防規則や労働安全衛生規則で皮膚障害防止対策の重要性が示されている他、リスク低減対策としては化学物質の有害情報を早期に収集することが必要とされています。
このような背景により、当機構では、職業性皮膚疾患の全国的発生状況をモニターし、科学的物質に関する皮膚への影響を効率的に集積するデータベースが必須と考え「職業性皮膚疾患NAVI」を運用しています。
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また、「職業性皮膚疾患NAVI」は、産業化学物質による皮膚疾患を診療する機会の多い医師に御協力いただき、産業化学物質による職業性皮膚疾患発生時に事例報告入力フォーマットへ可能な限り報告し、産業化学物質による皮膚疾患の発生状況を迅速に把握するための参加型のシステムです。
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