猛暑時の冷泉浴の効用
足浴は温浴が一般的だが、ドイツは水である。訪れた心筋梗塞後の回復期の病棟では、就寝前の冷水足浴が熟睡のための日課であった。
寒の地獄湯は大分県にあり江戸末期の開湯で、13~14℃の硫黄冷鉱泉を加温し使っている。「入浴後1~2分間は大変冷たく皮膚に刺激を感じますが、3分くらい経ちますと刺激を感じなくなり、それからは各自の体力と忍耐で入浴時間はまちまちですが、ある程度時間が経つと震えが始まりますので、その時浴槽から上がり、身体を拭かないで別室の暖房室(ストーブ)・薪ストーブサウナ室で充分あぶりこみ暖をとってください。」と効能にある。交感神経を大いに賦活させ、そのあと温浴で副交感神経をリカバリーさせるかなり強い刺激療法である。効き目も大きいが副作用も心配な方法である。これに比べれば、新潟の栃尾又の単純弱放射能泉では、かなりぬるめ28.5℃の湯に1~2時間ゆっくりと浸かって、最後に上がる前に熱いお湯でサッと身体を温める「長湯」という入浴方法が長年親しまれている。夏に行った時には、浸りながら読書や座禅・瞑想をしたりしている人がいた。湯温34~36℃は不感温度帯と言われ血圧や脈拍の変動も大きくなく入浴をゆっくり楽しめ湯である。しかし、猛暑で自律神経をはじめ心身がへばっている時期には、もう少し低めで本人が気持のよい冷涼感を楽しめる温度の入浴がお薦めである。出浴後はその冷えを戻し、自律神経の基本である副交感神経をしっかり賦活しておくことがポイントである。