【所長コラム】鏡森定信

産業保健の畑を深く耕そう

   -重要性を増す地産保コーディネーターの役割-

 富山地産保の28年度末の運営協議会でコーディネーターの役割の重要性の増大が話しにでた。全国の地産保からの報告にあるコーディネーターの相談事業数(再掲)でも、その傾向がうかがえる。労働市場に産業保健の課題が続出し、中小の事業場にそのしわ寄せが来るので地産保はめっぽう業務繁忙になっている。種々の制度利用や事案の相談、その整理と対処への繋などコーディネーターの役割はますます大きくなっている。

 27年度の労災死亡(972人)の事業所規模別リスクを算出してみた。10人未満で1.6、10~29人で1.3、30~49人で1.1と50人未満の事業所で平均(1.0)を超え、規模が小さいほど大きく、労災死亡の82を占めていた。一方、50~99人で0.6倍、100~299人で0.5倍、300人~で0.2と規模が大きくなると著しく平均を下回り、占める割合も18%と少ない。

 産業保健活動を小規模事業所に傾注することは論をまたない。その成果をもたらすためには、産業保健の畑を深く耕す地産保の活動に負うところ大である。全事業所の95%余りを占める50人未満の事業所における産業保健の活動を惹起し調整展開を担うコーディネーターの役割は一層大きくなっている。

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