【所長のコラム】/鏡森定信

マスクの着用で新型コロナの感染は半減

 NHKニュース(2022.11.11)は、ハーバード大学などのグループが、ボストン周辺で、ことし2月に学校でのマスクの着用義務を解除した70の地区と、着用義務を解除しなかった2つの地区(1教室当たり子どもの人数が多い傾向があり、したがって感染も多くなる傾向にある)の子どもと教職員合わせておよそ34万人について新型コロナによる感染や病欠の状況を調査し、着用義務を解除した地区では、およそ3か月半の間に感染した子どもや教職員は、1000人当たり134.4人、着用を続けた地区では66.1人で前者の約半分だったことを伝えた。また、同研究グループはマスクの着用で子どもたちの学習や発達が妨げられる明確な証拠はなく、感染者数を抑え欠席日数を減らす効果があり、感染拡大の際には有効な手段だとしている。これは、医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表したとのことであるから興味ある方はアクセスされたい。
 現在、日本では、人混みがなければ戸外でのマスクの着用を要請しないとことになっている。新型コロナ流行の第8波に入りつつあるとされている。マスクをして1m以上離れる飛沫感染対策ではこの空気感染するウイルスの感染対策としては十分とは言えない。室内の適正な換気が重要になる。また、マスクには寒冷と空気乾燥による上気道粘膜の障害を押さえその保湿により抗ウイルス作用もあるので今冬季もその着用を奨めたい。

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