メンタルヘルスには運動より入浴の方が効果的
運動も入浴もメンタルヘルスに好影響のあることは既に常識となっているが、後者の方がより好ましいとのニュースがあった。
ドイツのフライブルク大学の研究チームの入浴と運動の効果を比較した実験である。45名のうつ病患者を2つのグループに分け、①は40度のお湯に30分入浴後お湯の入ったボトルを持ってブランケットに20分くるまったグループ、②は40~45分の有酸素運動のグループでいずれも週2回、8週間続け、うつ病の一般的な評価尺度で気分の改善レベルを調べた。お風呂のグループで6ポイント、有酸素運動のグループで3ポイント改善しており、入浴に軍配が上がったという(ウエルスニュース.2022.9.18;出典:科学情報誌『New Scientist』)。
なお、熟睡のためには体温上昇は就寝直前を避けた夕方以降が奨められている。カプセル体温計を飲用して体内温度を調べた私たちの実験結果では、上記程度であれば運動で0.5℃、入浴で1℃位の体温上昇があった。体温の上昇1℃余りで熟睡への効果がより大きいとされている。霜月に入り冷たい外気に触れるのは億劫になりがちだが、この月の冷気程度下では運動効果がより大きくなるので、運動かお風呂かの二者択一ではなく、運動後に入浴というセットで、メンタルヘルスに配慮した日を最低でも週1回は確保されることをお奨めする。