【所長のコラム】/鏡森定信

アクテイブな熱中症予防!

 手元に来た広報によれば、事業所における熱中症の発生は、6月に始まり7,8月に急増、午後3時以降の発生が多く、WBGT(Wet-Bulb Globe Temperature;湿球黒球温度、1982年(昭和57年)よりISO国際基準の暑さ指数)をチェックしていないところで発生が多いと指摘している。環境省・気象庁は、暑さ指数の予測にもとづいて「熱中症警戒アラート」を発出している。しかしながら、例えばWBGTを左右する黒球温度は、直射日光にさらされた黒球中の平衡温度を測っていて、弱風時の日なたにおける体感温度と良い相関を示すが、熱源近くあるいは無風状態で作業する場合には黒球温度はもっと高くなり、WBGT値は上昇する。現場でのWBGT測定が必須となる所以である。室温と湿度からWBGTを推定できる廉価な測定器も出回っているので利用を勧めたい。昨年から予防として飲める氷やクーラーによるクーリングが奨められている。また、徐々に暑さに慣れていく暑熱順化は、作業する前の週に毎⽇熱にばく露されなくなった場合は消失し危険な状態になる。盆休み明けの熱中症増加に関わるので、再度暑熱順化が必要である。
コロナ禍でマスクの着用が習慣化したが、気温・湿度の⾼い中のマスク着⽤は、熱中症のおそれがあり、負荷の大きい作業を避け、屋外で⼈との距離を 2m以上確保できればマスクをはずすようにして、今夏の熱中症予防に処しよう。

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