喫煙率の職業別順位の固定化と新タバコの健康影響
日本公衆衛生学会誌(21年6月号)に2001~2016年の職業・性別女喫煙率(25~64歳)の推移が載った。最高は一貫して男女とも輸送・機械運転従事者であった。男では2001年の64.6%から年々減少し2016年48.2%、女では大きな変化はなくそれぞれ34.2%、38.5%であった。一方、わずかの年度を除き喫煙率が最も低かったのは、男女とも事務職であった。男では2001年の48.9%から年々減少し2016年には27.9%、女ではそれぞれ14%、9.40%であった。全体では、男はどの職業でも減少し56%から38.2%と20%弱減少したが、女ではどの職業でも減少が少なく、中にはほとんど変わらない職業もあり、17%から13%とわずかな減少であった。この15年間喫煙率の職業別順位はほぼ固定化していた。
さて、無煙の新型タバコが普及しているが、わが国でもこの健康影響が報告されるようになった。新型タバコには、葉タバコの加工物を加熱して吸うのと、葉タバコを使わず各種フレーバを電気加熱して吸う2種がある。後者にはニコチンを含むもの他に大麻抽出物や酢酸ビタミンE含有物など健康影響のあるものが含まれているものがある。米国内ではフレーバや添加物の規制強化により健康影響も減少したという。今のところアレルギー体質も絡んだ急性肺障害が主であり、長期影響は今後を待たねばならない。