事業所でコロナが起きたら? “災害対策アクションチェックリスト”の活用を!
富山市の老人福祉施設でクラスターとなった新型コロナウイルス感染は、地元大学病院のY医師らのボランテイア的介入により、重症者の施設内隔離(ゾーニング)、外部からの医療介護スタッフの支援(外部連携)、情報公開(不安解消)など災害時対策の要項を踏んで終焉した。
産業医大の産業医実務研修センターは、平成26年4月に“災害前/災害時の産業保健アクションチェクリストを作成しWebにも公開している。これまでの大災害の経験を踏まえて作成されたものであるが、今回のような感染症流行時に事業所で対策を考える際にも大いに参考になる。例えば、このリストの組織づくりでは、産業保健スタッフに直接関連する事業継続計画(BCP)における透析患者などハイリスク者対応、情報公開、災害に対応できる近隣の医療機関との連携網の構築などのソフト面に加えて、いざという時に備え保健医療サービスの提供場所のゾーニングの予備などハード面からのチェックも含まれている。
今回のコロナ禍では、ワクチンの開発(予防)とPCR検査(早期発見)に大きな期待が寄せられている。しかしこれ等とて万能ではない。労働衛生週間を機に発生を前提に事業所の災害対策を診てみたい。