若年性認知症と就労 -両立支援の労福連携-
認知症は、65歳以下の人が発症した場合、若年性となる。その発症の平均年齢は50歳で富山でも同じだという。
先月、国が各都道府県に義務付けた「若年性認知症相談・支援センター」のネットワーク会議に出席した。3人の患者さんの例と支援しているデイケアや就労支援B型の活動紹介があった。マスコミでも紹介された30歳代で発症したTさんのように、社長の理解と「著しい物忘れ」をサポートする体制で治療と就労を両立している例はあるが、発症を機に職場を去るのがほとんどである。そんな中で、県内でも若年性認知症の方の働く場を確保している就労支援B型施設の活動に感銘を受けた。
昨今の障害者雇用の問題を受けて、法定雇用率の順守を題目に現場に相当無理がかかっているのではなかろうか。障害者用に特化して別会社を設けるところもあるが、雇用率の達成のみでなく、例えば仕事の受注で苦労している就労支援施設に仕事をお願いする等、他の社会資源とも連携して就労の確保に貢献することも障害者雇用の実績にカウントする制度が必要であろう。CO2の排出低減では類似した方法がすでに取られている。