ウイルスによる風邪後1週間は心筋梗塞で入院する危険が数倍に!
「風邪は万病のもと」と言われる。炎症が心血管病にも影響していることが分かって久しい。
今年にはいって、ウイルスによる呼吸器疾患に罹った後1週間は、心筋梗塞で入院する危険が対照に比べて数倍高くなるという疫学研究が、国際的医学雑誌(NEJM誌)に載った(Kwong JC, et al.2018;378)。 呼吸器のウイルス検査を受けた35歳以上の成人を5年間に渡り追跡した結果である。呼吸器のウイルス感染全体では、約6倍にその危険が増大し、その中でB型インフルエンザによるものでは約10倍で最大であった。 ついで、A型インフルエンザでは約5倍、他のウイルス、例えば、まだ予防接種が無いRSウイルスでは約4倍、その他のものでも約3倍であった。8日目以降では、このような危険の統計的に有意な増加は見られなかった。高血圧、糖尿病、尿酸高値、高脂血症、喫煙、過体重など、心筋梗塞のリスク要因を有する人たちは、この1週間、危険を回避する行動が特に必要であろう。心筋梗塞発症の引き金となる、寒さ、喫煙、過飲酒、過労、睡眠不足などを回避することがおすすめである。なお、心筋梗塞の引き金として、心理精神的ストレスに対しても留意を要する。