【所長コラム】/鏡森定信

「ゲートキーパー」から「ゲートオプナー」へ

自殺対策では、その危険を示すサインに気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守りを図ることができる人のことを「ゲートキーパー」と定義しており、「命の門番」とも位置付けられている。
自殺総合対策大綱(平成19年 閣議決定)では、重点施策の一つとして「ゲートキーパー」の養成を掲げ、保健医療関係者のみならず、教職員、福祉関係者、各種相談窓口担当者など、あらゆる分野の人材の研修等が規定されている。海外でも、自殺対策の分野でも広く使用されている用語、概念でWHO(世界保健機構)を始め、多くの国々で使用され養成プログラムも実施されている。
先日、富山地域産業保健センターの運営協議会で、コーデネータが相談の聞き手になって活動されている紹介があった。それによると相談の内容をお聞きした後で、大方の相談者は用件について満足されたという。現在の地域産業保健センター活動におけるコーデネータの役割は大変重要なことは論をまたないが、相談を他の専門職につなぐという「ゲートキーパー」から、相談内容によっては話をお聞きして、相談者の門を開く「ゲートオプナー」としての役割がいっそ進む体制支援が必要と痛感した。

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